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「見てませんでした」を防ぐ見守り術

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保育士歴8年目の
はーちゃん先生です。


「1年目の先生からよく相談を
 受ける内容があります。」

それは――

「子どもが多くて、
誰がどこで何をしているか
分からなくなる」
というもの。

クラスの人数が多いと、
一人ひとりに
注意を向けながら


全体を把握するのは
難しいですよね。


そして、事故やトラブルが
起きたときに


「〇〇ちゃんは何をしていましたか?」
「どうしてこうなったんですか?」と

聞かれても答えに
詰まってしまう……。


そんな経験をされた方も
いるのではないでしょうか。


目次

保護者の立場で考えてみると…

「見ていませんでした」
という言葉は、

保護者にとって
大きな不安を与えます。


大切な命を預けているのに
「すいません、見ていませんでした」
と言われて、

納得できる
保護者はいません。

私自身、子どもを持つ立場
として考えても、


そのように言われたら
「この先生で大丈夫かな?」
心配になります。

昨年、全国の保育園で
報告された事故は約3千件、

そのうち8割が骨折
だったそうです。


そんなときに
「見てませんでした」は

口が裂けても
言えませんよね。

もちろん、
保育者も一人の人間です。


何人もの子どもを
同時に見守るなかで、

ケガをゼロにするのは
現実的には難しい。


その気持ちも
すごく理解できます。

だからこそ、
最悪の事態を防ぐために
大切なことをお伝えします。


見守りの基本は「全体把握」

私は保育中、
子どもと関わりながらも

「5秒に1回は保育室全体を見る」
ことを意識しています。

最初は慌ただしく感じますが、
慣れると自然に
できるようになります。

「子どもと集中して遊んでいたら、
他の子を見られないのでは?」と
思うかもしれません。


でも実は、
“広く浅く”見ている
感覚の方が安全なんです。

さらに、手が出やすい子の
近くにいるのも大切。


すぐ対応できるだけでなく
「なぜ手が出たのか」背景も
理解できます。


理由を知っていれば、
その後の話し合いも
スムーズに進みます。

たとえば
積み木で遊んでいる
Aちゃんと会話しながらも、
視線の端で

  • Bくんが乱暴な遊びを
    していないか

  • Cちゃんが静かすぎて
    困っていないか

    を確認するイメージです。

「見ていなかった」が減るだけで安心感が増す

5秒に1回全体を見渡すことで
得られる効果はたくさんあります。

  • 誰がどこにいるか
    瞬時に思い出せる

  • 異変にすぐ気づける

  • 事故やかみつきの予兆に
    反応できる

  • 記録や振り返りの
    精度が上がる

「この時間、○○ちゃんは
 ここでこうしていました」と

答えられることは、

保護者や同僚からの
信頼にもつながります。


個別と全体を両立させるコツ

「子ども一人ひとりと
丁寧に関わりたい」

――その気持ちも大切です。


そこで役立つのが
位置取りの工夫です。

  • 部屋の端や出入口付近など、
    全体を見渡しやすい場所に立つ

  • 背を向ける位置には長くとどまらない

  • 関わりは短時間でも密度を高め、
    「聞く→まとめる→視線を外す」
    を繰り返す

こうして少しずつ
全体と個別を往復する感覚
持つのがポイントです。


失敗から学んだこと

私もこれまで、子どもたちの
大きなケガに何度も
遭遇してきました。


たとえば――

  • 床に顔を打ちつけて
    歯が欠けてしまった

  • 小さい机に額をぶつけて出血し、
    縫合が必要になった。

  • 固定遊具の階段で
    滑って顎を打ち、
    数針縫うことになった

そんなときは保護者の方と
一緒に病院へ行き、
私自身もひどく落ち込みました。

でも、そうした経験が
あったからこそ、

今はケガに対して
人一倍配慮して保育を
しています。


大切なのは「なぜ起きたのか」を
 自分軸で振り返ること でした。

  • 自分にできる対応はなんだったか
  • 環境の準備や配置は適切だったか

こうした改善を少しずつ
積み重ねてきたことで、
今の自分があります。


失敗や反省はつらいけれど、
確実に成長につながっていると
感じています。


完璧じゃなくても「見ようとする」姿勢が大事

もちろん、全員を常に完璧に
見られるわけではありません。


でも、
「全体を見ようと
しているかどうか」
その姿勢は周囲に伝わります。

結果的に同僚も
安心して連携でき、

保護者からの信頼も
厚くなるのです。


まとめ|「5秒に1回の全体把握」を選択肢に

「5秒に1回見る」
というのはルール
ではありません。


ただ、少し意識するだけで
クラスの安定感や自分の安心感は
大きく変わります。

「最近ちょっと見落としが多いかも」
と感じたら、
取り入れてみてください。

「どうして事故が
起きたのか分からない」

を減らすための小さな工夫

――それが“5秒に1回の全体把握”です。

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